錯誤
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錯誤
錯誤とは、勘違いのこと
錯誤が「法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なもの」であることが重要になる
簡単にいうと、その勘違いがなければ、表意者だけでなく
一般の人も通常は意思表示しないであろうという事情のこと
錯誤の種類は以下の2つです。
表示行為の錯誤
- 買う商品を間違えた場合
- 代金を間違えた場合
原則として、取消ができる
動機の錯誤
- 契約をするきっかけに勘違いがあった場合
例:Aさんが「この土地は新しい駅の近くにできるから、値上がりするはず!」と思ってBさんから土地を「買います」と意思表示してしまったが、実は新しい駅は作られないことが後でわかった場合など
上記のような動機の錯誤の場合、原則として取消ができない
ただし、その動機を相手方に表示していた場合、表示行為の錯誤とすることができ、取消ができる
例:Aさん「この土地、駅ができるなら買います!」Bさん「はい、どうぞ!」(Aの言葉を聞いて契約した)
→ でも、実は駅ができないとわかった!
表示方法については、
- 明示的(はっきり言う)
- 黙示的(はっきり言っていないが、そうであるように振る舞う)
でも良いとされている。
取消の要件
錯誤で契約を取り消すには、表意者(勘違いした人)に重過失がないことが原則です。
(表意者 = 勘違いをして意思表示をした人)
✅ 「ちょっとしたミス」 → 取消OK!
❌ 「ちゃんと確認すればわかるような大きなミス(重過失)」 → 取消NG
ただし次の場合は、表意者に重過失があったとしても、表意者は錯誤による取消を主張することができる。
相手方が表意者の錯誤につき悪意、もしくは重過失の場合
相手の錯誤を知っていながら契約をした場合
→保護をする必要がありません。
✅ 相手が悪意(わざと騙していた) → 取消OK!
相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき
お互い誤解している場合
→取消ができる
例:Aさんが地下鉄の駅ができると信じて、それを表示した上で土地を購入した
Bさんも同じ噂を信じてしまい、高値で売却した
お互い錯誤に陥っている場合、Aが重過失で取消ができないとすると
Aが一方的に損をしてBが儲かってしまうため、Aに重過失があっても取消ができる
取消権者
表意者が取り消す意思がない場合、相手方や第三者が取り消すことは原則としてできない
ただし、表意者が意思表示に錯誤があることを認めている場合、
第三者は表意者に対する債権を保全するため、取消権を行使することができる。
錯誤の取消は善意無過失の第三者には対抗する事ができない
簡単に言うと・・・
「契約を錯誤(勘違い)で取り消せる場合でも、何も知らずに関わった第三者の権利は守られる!」ということ
まとめ
✅ 表意者だけが勘違い → 原則、取消はできない(重過失がなければOK)
✅ 相手も同じ勘違いをしていた → 取消できる!